巻き爪と筋力低下
監修・執筆 永井院長
筋力・筋量は骨の強さと関節可動域によって決まります。
筋肉ムキムキの子どもや高齢者を実際に見たことがありますか?
おそらく無いと思います。
子どもの骨は若木のように弾力性に富んでいて、成人よりも低強度。
高齢者の場合は骨粗鬆症などが原因で骨が脆くなり弱くなります。
筋肉は骨にくっついていますので、骨の強度が弱いと力強い収縮が出来なくなってしまいます。
よってムキムキにはなりにくいのです。
余談ですが「筋肉をつけると身長が伸びなくなる」ではなく「身長が止まったから筋肉がつく」が正しい理解です。
関節可動域について
関節は筋肉によって動きます。
関節が動く範囲(関節可動域)が拡がればそれだけ筋肉を使いますので、筋肉は発達します。
痛みがあり関節を動かさなくなると筋力が低下します。
かといって無理に動かせば余計に悪化させてしまいますので、適切なリハビリが必要です。
巻き爪は趾(あしゆび)がうまく使えていないと発生します。
一番わかりやすい動作はつま先立ち。
巻き爪の方はつま先に力をかけられないので正しく立てません。
高齢者の場合、前に述べたように骨粗鬆症や関節可動域の低下も相まって下肢の筋力低下が進み、巻き爪も転倒の原因になり得ると思います。
巻き爪は一度なってしまうと自力ではなかなか治せません。
巻き爪を治し、趾の可動域を改善し、筋力を高めることが「一生自分の足で歩く」秘訣です。